
日本の教育に新たな挑戦が始まります。つくばヘレナ高等学院は、不登校や過疎化に直面する現代の若者たちを支援するため、新しい教育モデルを提案します。この教育は、テストの点数や偏差値ではなく、若者が社会と関わりながら、自分の力で生き抜く力を育てることを重視します。
日本の小中学校における不登校児童・生徒は、令和5年度の文部科学省調査で過去最多の346,482人にのぼり、地域の危機を象徴しています。厚生労働省のデータによると、10〜39歳の死因の第1位が自殺であり、若者の心の危機は深刻さを増しています。一方で、総務省統計局の人口推計によると、2025年7月1日時点で総人口は前年同月と比べ68万人も減少しており、地域社会の維持が危ぶまれています。
この二重の課題に対し、つくばヘレナ高等学院は「学び」と「働く」をつなげることで、教育の再構築に挑みます。子どもたちが実社会の中で生きる力を育み、地域とともに未来を築いていく新しい教育のかたちを、つくばから始めていきます。
「プロフェッショナルコース」では、つくば市を中心とした16社、20職種以上の企業と教育支援パートナー協定を結び、救急医療からリハビリまで幅広く担う地域の中核病院や、街づくりや住環境の開発・管理を長年手がけてきた地元有数の不動産企業をはじめ、研究、整体、デザイン、保育、伝統、飲食、ファッション、スポーツ、美容など多彩な分野で、現場のプロフェッショナルによる実習を行います。週1~2日の企業実習と、個別最適化された対話型学習、国家資格・業界認定資格の取得支援を組み合わせた、ハイブリッドな教育モデルです。
偏差値や学歴だけで進路を選ぶのではなく、社会と関わりながら、自分らしく学び、自分の力で進路を描くことが、このコースの本質です。在学中から社会とつながることで、自信を持ち、地域で生きる力を身につける教育を目指しています。これは、単なる教育の場にとどまらず、若者と地域がともに未来を創る“共育”のかたちです。
2026年度からスタートし、2027年度以降は分野・地域を拡大予定です。観光・福祉・環境など、地域になくてはならない多分野の事業者との協定を予定しており、地元行政・商工団体との連携も視野に入れています。将来的には、茨城県、全国の中高生が「地域でプロを目指す進路」としてこのモデルを選択肢にできるよう、各地域の民間フリースクールや民間教育機関等がハブとなり、地域社会の再構築ができるように事例発信と教育モデルの汎用化を進めていきます。