
DHL Expressとキャセイグループが持続可能な航空燃料(SAF)パートナーシップを締結
DHL Expressとキャセイグループは、持続可能な航空燃料(SAF)のパートナーシップを締結し、アジアでのSAFの生産と利用を促進することを目指しています。この協力により、2025年末までに約7,190トンの温室効果ガス排出削減が見込まれ、航空貨物業界におけるCO2排出削減に貢献します。
DHL Expressは、キャセイグループから2,400トンのSAFを購入し、キャセイグループの全額出資子会社である貨物専用航空会社「エアホンコン」の運航便で使用します。仁川空港、成田空港、チャンギ空港発のエアホンコン便でSAFを使用します。
このパートナーシップにより、DHL Expressはアジアの3空港(ソウル・仁川国際空港、東京・成田国際空港、シンガポール・チャンギ国際空港)を出発する国際便向けに、SAFを供給します。これらの便は、主にDHL Expressのエクスプレス貨物サービスを担っています。
DHL Express アジア太平洋地区 ネットワークオペレーション&アビエーション担当シニアバイスプレジデントのピーター・バーデンス氏は次のように述べています。「世界全体の航空燃料消費に占めるSAFの割合は1%未満ですが、航空輸送は依然として、温室効果ガス排出の主要な発生源の一つです。今回、キャセイと連携してアジアでのSAF利用を広げる決定は、SAF生産と需要拡大の流れを後押しする大きな一歩です。DHL ExpressはこれまでSAF活用にいち早く取り組んできましたが、今後も多くのパートナーやお客様とともに、アジアにおける強固なSAFエコシステムの構築を目指してまいります。この継続的な投資は、『選ばれるグリーンロジスティクス』を4つの経営目標の一つとするDHLグループの中期戦略『Strategy 2030』にも沿うものです。」
キャセイ カーゴ ディレクターのトム・オーウェン氏は次のように述べています。「このパートナーシップにより、エアホンコン便へのSAF初搭載が実現します。キャセイにとって、グローバルネットワーク全体でのSAF利用拡大に向けた重要なマイルストーンです。SAFは当社のCO2削減戦略の中核であり、利用拡大には協力が不可欠です。DHL Expressのような志を同じくするパートナーと協力し、特にアジアにおけるSAFの利用拡大とスケールアップを推進できることを大変うれしく思います。」
今回の締結により、DHL Expressはキャセイの「法人企業向けSAFプログラム」の最新の戦略的パートナーとなります。本プログラムは2022年に開始され、企業パートナーがSAFを活用して出張・航空貨物による温室効果ガス排出量削減に取り組むことを支援してきました。2024年には、16社のパートナーが参加し、6,000トン以上のSAFが使用されました(HSBC、AIA、スタンダードチャータードなどが含まれます)。
キャセイはアジア地域におけるSAFの取り組みを着実に拡大しています。2025年前半には、中国本土で生産されたSAFを香港国際空港に供給する契約を中国石化(Sinopec)と締結し、香港への初の輸出を実現しました。また、韓国ではSKエナジーと提携し、2025~2027年のSAF供給を確保しています。さらに、キャセイは香港での政策開発とSAF導入を推進するため、香港持続可能航空燃料連合(HKSAFC)の共同設立にも取り組んでいます。これらの施策は、ネットワーク内でのSAF利用拡大と地域SAFエコシステムの構築というキャセイの使命を反映しています。
SAFへの投資は、長期的かつ予測可能な供給を確保する上で不可欠です。DHL Expressも世界的にSAF導入を先導しており、Neste、bp、ワールドエナジー社など複数のパートナーとの長期契約を締結しています。今年初めには、コスモ石油マーケティングと提携し、日本発フライト向けのSAFを調達しました。直近では、Nesteとの契約によりシンガポール・チャンギ空港発国際便向けに7,400トンのSAFを確保し、地域全体でのSAF需要と供給の促進に積極的に取り組んでいます。
これらの取り組みにより、DHLは代替燃料輸送に関する知見を深めることができ、Strategy 2030の重点分野「新エネルギー」におけるセグメントとして活用されます。DHLグループは、風力、太陽光、電気自動車(EV)・バッテリー、バッテリー・エネルギー貯蔵システム、EV充電、電力網、代替燃料、水素の8つの分野でエンドツーエンドの物流ソリューションを開発しています。