テクノロジー
04月25日
今はパソコンの初期設定やヘルプデスクを担当する、SESのITエンジニア。資格を取りながら着実に技術を積み上げる一方、いずれは労働者から経営側へ回りたいと語る。自分はリーダーより参謀タイプ、と現在地を冷静に見つめている。
Q&A
インタビュー
現在のご職業を教えてください
IT業界でSESと呼ばれる働き方をしています。派遣とは違い、もともと所属している会社に在籍したまま、別の会社へ出向するような形で働くというものです。派遣と違う点は、時給か、正社員の固定給かというところですね。職種としてはITエンジニアというくくりになります。
今はどんな作業を担当していますか
今はパソコンのキッティング作業を担当しています。真っさらな新品のパソコンに対して、アプリのインストールやネットワークの設定といった、必要な初期設定をしていくのが基本です。あとはヘルプデスクですね。企業の社員の方から寄せられるトラブルに対応し、問題を解決するという仕事もしています。今は広く浅く、いろいろな業務に携わっている状態ですね。
なぜIT業界を選んだのですか
一番最初は、単純にパソコンに関わる仕事がやりたいという気持ちからでした。高校生ぐらいの頃にIT業界がとても盛り上がっていて、やってみたいと思い、高校も、その後の情報系の専門学校も、そうした分野に進みました。もともとこの業界で働きたいという思いがあったんです。今の視点で言うと、やはり賃金の部分も大きいですね。一般的な会社では年齢給のような仕組みがある中で、IT業界は技術職なので、これができるようになったら年収はいくら、というように基準が明確になっていて、自分が頑張れば頑張るほど年収が上がっていきます。しかも今後もなくならない仕事で、少なくとも自分が生きているうちはなくならないと思うので、食いっぱぐれる心配はないだろうというところです。
IT業界に入る前は何をしていましたか
以前は製造業をしていたのですが、将来に不安を感じていました。営業職も少しやっていたのですが、営業だと売上や対人関係の面があって、そこにストレスや将来への不安があったんです。その後IT業界に入り、この業界は頑張れば頑張るほど給料も上がりますし、長く働けて、業界自体も安泰なので、そこに安心感がありますね。
仕事で嬉しい瞬間はいつですか
予定していた時間よりも早く仕事が終わったときですね。そういうときはとてもテンションが上がります。もちろんその後の時間が自由になって、自分の時間が取れるという嬉しさもあるのですが、それ以上に、自分の技術力が上がったんだなと実感できるのが大きいです。パソコン1台を完成させるのに1時間かかると言われている中で、自分は30分で終わらせたことがありまして、それが4台、5台とあって。出張だったので、移動費も含めて丸1日かかるだろうと見込まれていた仕事を、午前中だけで全部終わらせて、午後は隠れて遊んでいたこともありました。
この仕事の面白さはどこにありますか
まず、ゲーム感覚で年収を上げていけるところですね。例えばネットワークエンジニアの領域だと、最初は運用保守といって、すでに動いているものを監視し、トラブルがあれば対応するところから始まります。そこからスタートして、資格を取り、次は設計構築へ進みます。自分でネットワークのどこに何が必要か、どんな配線が必要かを設計していくんです。そこへレベルアップすると、当然年収も上がりますし、やることも変わってきます。その先はマネージャーとして自分がリーダーになる道もありますし、クラウド、いわゆる仮想空間の領域に挑戦することもできます。ポケモンやドラクエのようにレベルアップしていける、RPGのような面白さがありますね。
訪問先で印象的だったことは
お客様先である大手工務店さんを訪問したときのことです。名古屋に行ったときなのですが、本社は、いかにも大企業という雰囲気の方ばかりでした。一方で地方の営業所にも行ったところ、そうした堅い雰囲気はなく、かなりフレンドリーで、いろいろな方がいらっしゃいました。同じ大企業の社員でも、働く場所によってこれほどタイプが違うものなんだなと感じましたね。
仕事のための勉強はどう進めていますか
まず、自分がやりたい仕事の領域を調べ、それに対して何が必要なのかを明確にします。資格の取得や、構築ができるようになることなど、必要なことを洗い出してから勉強を始めます。例えばネットワーク系ならCCNAという資格があり、その上にCCNPがあって、というように段階的に上がっていきます。サーバー領域ならLinux関連の資格もありますし、ITの資格は自分も知らないものを含めて本当にたくさんあります。クラウド領域ならAWSやAzureなどもあり、分野ごとに実にさまざまですね。
資格はどれくらい重要ですか
ネットワークの資格であるCCNAは、去年取得しました。これは後々この業務に入っていくためですね。結局、実務では経験があるかどうかを問われるのですが、誰しも最初から経験があるわけではありません。そこで資格を持っていれば、自分にはこれだけの知識がありますと証明できます。資格は持っていたほうがいいという人が多いですが、自分は持つべきだと考えています。いくら勉強ができますと言葉で言っても、東大を出ているか出ていないかで印象が変わる面があるので、資格もそれと同じではないかと思います。
これからの働き方の目標はありますか
今は週5日、8時間で働いていますが、その働く時間をもっと減らしていきたいですね。自分一人で動くのではなく、後任を育てる、つまりネットワークエンジニアができる人を増やしていくイメージです。今は労働者の立場ですが、そこから経営側に回っていきたいと考えています。会社を立ち上げるか、あるいは同じ志を持つ人の下につくか。自分はどちらかというとリーダータイプではなく、トップに立つよりも参謀として支えるほうが向いているので、おそらく誰かの下につく形になるのではないかと思います。
IT業界を選ぶ決め手になったことは
学校教育のせいなのかはわかりませんが、社会に出たらいろいろ我慢しなければいけない、理不尽なことばかりだと、よく言われますよね。最初は自分もそういうものだと思い込んで、嫌だなと感じながら我慢して働いていました。でも実際にやってみると、決してそうではなかったんです。それに気づけたきっかけがYouTubeでした。経営者の方、特にプログラミングスクールを経営されている方がYouTubeで発信していて、その動画の中で、そうではないということを教えてくれたんです。自分の中ではその影響がとても大きくて、実際にそのスクールにも通いました。他のスクールは自宅で学習するのが基本なのですが、そこはきちんと教室を設けていて、教室で学べるのが一番いいなと感じました。集中できますし、内容はもちろんですが、やはり学習できる環境が整っていることが大切なんです。ITの勉強はいかに継続できるかが鍵なので、まずは取っ掛かりとしてやってみるのもいいと思います。結局、開発がやりたいのか、インフラがやりたいのかという方向性もありますから、何がやりたいかを見極めるためにも、一度触れてみることには意味があります。今自分がやっているSESの仕事も、最初はざっくりとIT業界という括りでした。自分も最初はそうで、IT業界に行きたいとは思っていたものの、どの領域をやればいいのかまでは決まっていなかったんです。そこでパソコンのキッティングを触ってみて、自分は何がやりたいのかを考えた結果、ネットワークをやりたいと思うようになりました。
IT業界を目指す人へ
今の時代は、物価が高騰しているのに給料が追いついていないという現実もあります。だからこそ、年収を上げたいといったきっかけで構わないので、まずはIT業界に飛び込んで挑戦してみるといいと思います。学生時代は勉強をして成績を上げたり、部活動に打ち込んだりと、向上心を持って過ごせる環境があります。けれど自分の場合、社会人になるとそうした要素がなくなり、毎日同じ仕事をルーティンワークとしてこなすうちに、面白さを感じられなくなっていきました。その点、IT業界は日々勉強し、日々成長できるので、本当に面白いと感じていますし、やりがいを持って取り組めています。だからこそ、挑戦してみる価値は十分にあると思います。
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