生活・環境
05月08日
接客や事務を長く続けてきたけれど、どこかしっくりこない感覚があった。清掃の仕事に出会って、肩の力を抜いて働ける自分に気づく。特別に頑張らなくても、自然と続けられる。そんな今の働き方に、ほっとするような手応えを感じている。
Q&A
インタビュー
現在のお仕事について教えてください
清掃業をしておりまして、マンションの日常清掃をしています。皆さんがお住まいのところが専用部で、その共有部にあたる廊下や通路、エントランス、エレベーターホールなど、皆さんが共通で使う場所がメインです。掃除機がけやモップがけ、掃き掃除が中心ですね。私の場合は午前中がメインなので、大体3、4時間ぐらいで終わる現場です。他の方にはもっとフルで働いている方もいらっしゃいますが、私は求人を見たときに時間帯と通勤場所が一番良かったのでここを選び、今はパートとして働いています。
この仕事を始めたきっかけは何ですか
今の仕事を始める前に、最近流行りのタイミーなどで、シェアハウスとして貸し出している物件の清掃にちょこちょこ入っていたんです。その清掃を始めてから、自分は清掃が苦手ではない、むしろ好きなんだと気づいて、レギュラーで入りたいと思うようになり、求人サイトで清掃も含めて検索するようになったのがスタートでした。それまではずっと事務や接客がメインだったので、仕事内容はガラッと変わりましたね。兄弟に同じ仕事をしている身内がいて、話を聞いてイメージしていたぐらいで、自分自身がやることになるとは、その時はあまり思っていませんでした。
働き始めた頃に苦労したこと
最初に入ったところは今もそうなんですが、現場に行ってマニュアルを読み、一から自分で段取りを組むというシステムでした。家の清掃をやったことはあっても、仕事として清掃をした経験はなかったので、最初の1、2週間は、自分で時間配分を考えながら、決められた時間の中でこなすのが大変で、どこまで清掃すればいいのかが分かりませんでした。今のところに入ってからは、人と一緒に聞きながら進められたのが初めてで、手を抜いてもいい場所といった塩梅もそこで教わりました。最初の頃は仕上がりがギリギリの時間になることもあって、その時間の使い方が少し難しかったですね。
一日の作業の流れを教えてください
作業の流れとしては、まずゴミを出して、メインの場所から掃き掃除をしていきます。非常階段なども掃いて、掃き掃除をしたエリアにモップがけをします。ゴミ出し場も汚れるので、そこも掃除をして、最後に全部のフロアに掃除機がけをする、という流れで大体1日が終わりますね。
住民の方への気遣いはありますか
フロアごとに掃除機をかけるので、室内にどれほど音が響いているか分かりませんし、どんな家族構成かも分かりません。結構早朝から作業しているので、音は気にかけますね。あとは、ドア周りにしつこい汚れがあると掃除機が当たりそうになるので、そこは神経を使って、ゆっくりやったり音量を変えたりしています。特に指示を受けているわけではないのですが、なんとなく意識していて、自分の中で緊張感のある部分ではあります。
働き始めて変わったことはありますか
道具の使い方一つ一つや、体の使い方、モップの絞り方もそうですが、何も知らずに入ったので、一から教えていただきました。清掃業の方がやられているやり方でやったほうが、明らかに力を使わずにできるんですね。そういった点は、3年前の自分とは違うところだと思います。自己流で使っているのとは全然違うんだなと実感しています。
住民との関わりについて
頻繁にお会いする方もいるので、そういった方とは徐々に関係ができてきます。私のイメージでは、マンションに住んでいる方と掃除をしている人はあまり関わらないものだと思っていたのですが、実際には結構関わりがあって、ゴミの出し方一つでもこちらに相談してくださるような、ちょっとしたコミュニケーションが取れてきています。それは自分にとって、いいことだなと思っています。
掃除のどんなところが楽しいですか
もともと色々なタスクを処理するのが好きなので、先ほども言ってしまいましたが、汚れが多いところなどは自分で勝手に楽しんでいるんです。「掃除をしている」という感覚ではなく、日常生活の延長のような内容なので、楽しんでしまっている面が多くて。「すごく頑張ってやっています」という感覚ではやっていないので、苦に感じるところはあまりありません。ゴミの分別ぐらいで、むしろゴミを出し切るのが楽しかったりします。完全に今までとは職種が違っていて、これまでの職種のほうが長かったのですが、それが自分に合っていると思って生きてきたら、実は今のほうが合っていたんだなと、新たな発見でもありました。
前職と比べて感じることは
これまではメインが接客で、受付や事務もありましたが、基本的に人と密に接する仕事でした。今は挨拶など、先ほどお伝えしたような軽いコミュニケーションだけなんですが、仕事の内容としては、こちらのほうが自分に合っているなと感じます。自分で考えて進められるところも含めて、結構自分向きだと思いますね。接客業をしている方の中にも、意外とこちら側に向いている人がいるのかもしれないと、自分の経験から思います。
体力面と精神面の疲れはどうですか
階段ののぼりおりがあるので、体力は使いますね。平日はフルで、週五日働いているので、そのぶん睡眠時間が長くなったりして、意外と疲れているんだなと感じる日はあります。精神面では、あまり悪い方に出会っていないこともあって、接客のときほど精神的に消耗することはありません。人間関係がないというのが一番大きいですね。仕事で疲れるのは体力面くらいで、若干疲れが出る程度です。
収入と仕事の満足度はどうですか
私の場合は、今の仕事がすぐに自分に合っていると感じてやっているので、収入面と合わせても満足しています。事務の仕事で、もっと給料の高いところも実際にはあったのですが、自分にとって大変でストレスになる部分がそれぞれ違ったんです。そう考えると、今のほうが収入は若干下がっていても満足というか、生活的には今のほうが合っています。もともと自分の中で設定していた希望は高めだったのですが、いろいろ合わせて考えても、まったく問題ないと感じています。
今の仕事にやりがいを感じる理由は
自分が健康で、体を動かせて、それで収入を得られて、今の仕事は一応、自分としては人の役に立てていると思っているんです。そういう部分は、たぶん一人で在宅などでやる仕事のやりがいとは違う気がするので、充実してできているかなと思います。性格ももともとこういう感じで、今までは違う職種で、人間関係もあって少し違うなと思って今の仕事に来たのですが、今はいろいろな面がピタッとはまった感覚なので、あまり無理をしていません。頑張ろうと気負ってやっているわけではないんです。
五年後の展望を聞かせてください
基本的には変わらず、今と同じところで続けられたら最高だなと思っています。もし住まいが変わったとしても、職種自体は同じものをやり続けたいと思っているので、おそらく同じ職種を続けていると思います。マンションということもあって、仕事がなくなることはほとんどないと思うので、可能であれば今の場所で、続けられる限り続けていきたいですね。
清掃の仕事を考えている人へ
清掃の仕事はマイナスのイメージを持たれることが多くて、面接などでそう言われたりもするのでしょうが、実際は全然そんなことはありません。例えば潔癖症ではなく、なおかつ一人で作業するのが少しでも好きな人なら、一度入ってみると、現場にもよりますが、合う可能性は結構高いと思います。一度やってみても楽しいんじゃないかなと私は思いますね。どんな職種も入ってみないと分からないですが、私自身もまさか自分がやるとは思っていなかったので。
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